「ふくい桜マラソン」からの便り

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笏谷石(しゃくだにいし)って?

笏谷石(しゃくだにいし)は、約1800万年前の火山活動で降り積もった火山灰が固まってできた「火山礫凝灰岩」(かざんれきぎょうかいがん)である。

今から約二千万年前頃、ユーラシア大陸の縁から、のちに日本列島となる陸地が引き裂かれて日本海が生まれた。それに伴う水中火山活動によって、膨大な量の火山灰・軽石・岩石片が火砕流となって噴出。笏谷石は、それらが堆積して固まった厚さ約100mに及ぶ「火山礫凝灰岩」である。

笏谷石は、福井市の足羽山でのみで採掘され、足羽山の北西側山麓の「石谷(しゃくだに)地区」(「石谷山」)で採掘される石質が特に優れていたことから、「石谷」が変じて「笏谷石」という名称がついた。

ブルーグリーンの石で、ぬれると青みがさえる特性から、「越前青石」とも呼ばれ、その色は「笏谷ブルー」と呼ばれている。

やわらかい、きめが細い、加工しやすい、火に強い、色が美しいなどの特徴を持つ。

福井城の石垣をはじめ石仏、墓石、神社の玉垣、灯ろう、家の土台・敷石、食器などの生活用品、その他、住宅、土木、工芸などあらゆる場面で使われてきた。

足羽山の山頂古墳に建つ「継体天皇」の石像も笏谷石を加工したものである。



1500年以上続けられてきた笏谷石の採掘は、諸事情により1999年(平成11年)9月に終っている。
(諸事情:コンクリートやタイルの普及、人件費の高騰、石職人の減少、安い外国産石材・・・)

2016年、笏谷石は、日本地質学会から福井県の石」に選定された。

2019年5月、笏谷石は、一乗谷朝倉氏遺跡や福井城址などとともに日本遺産「400年の歴史の扉を開ける旅〜石から読み解く中世・近世のまちづくり越前・福井〜」に認定
「日本人と石との共生の歴史や屈指の石づくり文化を体感させてくれる」と評価された。

足羽山付近はもちろん福井では、現在でも、寺社の石段や家屋の敷石、地蔵や鳥居、石仏、民家の塀にいたるまでグルーグリーンの笏谷石が随所に見られる。

 

(足羽山の入口「愛宕坂」の石段、もちろん笏谷石である)